下忍愛宕神社
戦国時代には、忍城主 成田氏によって星川の水が忍沼(忍城の外堀)へ導水されている。これは新規に水路を開削したのではなく、星川の派川跡を改修したものだと思われる。取水口跡(行田市総合公園の南側、行田市谷郷)には、大樋跡の碑が建てられている。
所在地 埼玉県鴻巣市下忍2842
御祭神 八坂大神
社 挌 不明
例 祭 例祭日7月23・24日
下忍愛宕神社は旧北足立郡吹上町の北東側で、埼玉県道148号騎西鴻巣線と上越新幹線が交差する近くに鎮座している。吹上町は中山道の熊谷宿・鴻巣宿間があまりにも遠距離であったため、ちょうど中間地点に位置していた吹上村が非公式の休憩所である間の宿として発展し始め、それがまた、城下町・(現・行田市)に向かう千人同心街道の設置に当たっては正式な宿場の一つ・吹上宿として認められることとなり、重要な中継地として発展したという。
2005年(平成17年)10月1日に北埼玉郡川里町と共に鴻巣市に編入されて、市域の一部となった。
下忍愛宕神社遠景
下忍愛宕神社の創建年代は不詳。新編武蔵風土記稿には「天神社、明光寺持。愛宕社」と記載され、また近隣の下忍千手院が愛宕山と号し、寛永年間(1624-1643)以前の創建といわれることから、愛宕社は、江戸時代初期以前に鎮座していたものと思われる。
拝 殿
拝殿の右側にある天神社 左側には日枝神社
本 殿
この社の最大の特徴は拝殿の奥の本殿が愛宕山古墳、つまり墳頂上にあることだ。愛宕山古墳は、直径20~30m、高さ3m程の古墳時代後期の円墳と推定されているが、出土品などが確認されていないため、塚の可能性もあるという。 墳頂には愛宕神社が祀られていて、周りはコンクリートで固められ墳形は大きく変形していて原形を留めていないように見える。ちなみにこの愛宕山古墳は昭和34年1月16日鴻巣市指定史跡に指定されている。
愛宕山古墳 案内板
下忍愛宕神社の規模は小さい社ではあるが、本殿が墳頂上にある為、遠目からでも確認できるくらい存在感のある社である。古墳か塚かどうかの議論の余地はあるにしろ、この面白い配置故に見た目にも不思議な余韻を残してくれる、そんな社である。