古社への誘い 神社散策記

たまには静かなる社の空間に身をまかせ、心身共にリフレッシュしてみませんか・・・・

白山姫神社

 埼玉古墳群の北縁を旧の忍川(おしかわ)が流れている。この小川は行田市の埼玉地区と長野地区の境界となっており、白山古墳は長野地区の白山という地域の外れにある。埼玉古墳群の稲荷山古墳から北方300mほどの距離のところで意外と近くだ。
 元々は白山古墳群が存在し、かつては何基かの古墳が確認できたが、現在は白山古墳半壊)、神明山古墳(半壊)、愛宕山古墳(一部残存)を残すのみである。埼玉古墳群のすぐ北に存在する古墳群であり、現在埼玉古墳群と白山古墳群のある台地を隔てている旧忍川も古墳時代には存在しなかったことから、この白山古墳群も埼玉古墳群の中にカウントするべきという意見がある。この白山古墳の墳上に白山姫神社は存在する。社殿が墳丘の上に築かれているため、この古墳は別名「白山神社古墳」の名で呼ばれることもある。

所在地  埼玉県行田市長野字白山5959
御祭神  大己貴命
社  挌  不詳

      
地図リンク 
 白山姫神社は埼玉古墳群のすぐ北に存在する白山古墳上に鎮座する。この白山古墳はかつては前方後円墳ではないかと言われたこともあったというが、現在の説では墳形は直径50m、高さ、5,7mほどの円墳と言われている。細い農道の道路脇に白山姫神社の石の鳥居が建っていて鳥居をくぐり石段を登ると、比較的新しい造りの白山姫神社があり、その右手が一段高くなっていて、大きな木が繁茂してその付近が墳墓の頂きである。
          
          鳥居の奥に石段があり、その右側には白山古墳の案内板がある。

白山古墳

 この古墳は、埼玉古墳群の北端に位置する直径約50m、高さ5.7mの円墳です。墳丘の一部に白山姫神社がまつられていて、その東側に横穴式石室の奥壁と思われる緑泥片岩が露出しています。また、社殿前の石段右手に積まれている人頭大の角閃石安山岩も、石室の壁材であると言われています。
発掘調査が行われていないため、不明な点が多い古墳ですが、7世紀前半頃の築造と推測されており、埼玉古墳群終末期に位置する古墳であると考えられています。
7世紀前半としては卓越した規模の古墳で、埼玉古墳群の最高首長墓の変遷と、古墳群の終焉を考える上で、非常に重要な古墳であると思われます。
                                          行田市教育委員会案内板より引用

 白山姫神社の創建年代や由緒については不詳だが、当地名行田市長野字白山の地名由来となっている神社で、江戸時代には白山社と称していた。白山姫神社は、白山古墳の上に鎮座しており、白山古墳は、埼玉古墳群の北端であると考えられている。
         
                         白山姫神社社殿

 行田市は埼玉県の北部に位置し、その大半は平野部である。北には利根川、南は荒川があり、沖積平野と言われる地盤が柔らかい沖積層’と呼ばれる、形成年代が若く締め固まっていない地層で、地下水面も高く水分に富むため軟弱地盤である為、過去にも数多くの洪水などの水害の被害を受けたことは、遺跡等の発掘によって分かっている。ただ肥沃で平らであるため農耕に適する環境だったのだろう。

 この地域には埼玉古墳群の他にも多くの古墳が存在し、
「古墳の宝庫」と呼ばれている。ざっと書いてみても酒巻古墳群、小見古墳群、若小玉古墳群、若王子古墳群、斎条古墳群、白山古墳群、犬塚古墳群、佐間古墳群など。この狭い区域に埼玉古墳群以外にもなんと多くの古墳が存在しているか、いかにこの地域が5,6世紀に発達したかのなによりの証拠だろう。

         
 白山姫神社の右側には墳頂に突き出た石室奥壁があり、集会所改築の際、土取りで露出したといわれている。この石室奥壁は緑泥片岩といい、秩父地域から運ばれたものという。古墳の横穴式石室を形作っていた奥壁の一部ではないかと推定されていて発掘調査してみれば詳しいことがわかるのだが、実はこの古墳の本格的な調査はまだ行われていない。 地元に古くからある伝承のせいで、この古墳に手を付けると祟りがあるとされているからだとのことだ。その理屈で考えると、白山姫神社と墳頂には段差があり、この社を造った際に、削り取り平らにしたとと思われるのだが、その時には祟りはなかったのだろうか。神聖な社を造るのであれば大丈夫なのだろうか。


         
                          白山古墳外観

  上記の祟りの言い伝えさえなければ外観は女性的で、ある意味優美さを醸し出している。埼玉古墳群の最北方に位置する稲荷山古墳から北に300m位しか離れていない位置関係から推測すると、この地を延々150年近く支配していた豪族の王者か、限りなく近い近親者が埋葬されているのかもしれない。




                                   
                             

拍手[1回]