広田鷺栖神社
コウノトリ伝説で有名な鴻巣市らしい説話だが、このような鷺の伝承、伝説がこの広田鷺栖神社周辺に少なからず存在している。
所在地 埼玉県鴻巣市広田3814
御祭神 日本武尊 他
社 挌 旧村社
例 祭 10月15日 秋季例大祭
広田鷺栖神社は埼玉古墳群の南東方向にあり、県道313号北根菖蒲線に面して鎮座している。地図を見ると良く解るが、不思議とこの鷺栖神社から埼玉古墳群の丁度中間地点には小崎沼があり、何かしらの関連性を伺わせる位置関係にあると思われる。
埼玉県道の南側にある一の鳥居と社号標。
この参道を真っ直ぐ進むと県道にぶつかり、その先に鷺栖神社が鎮座している。
朱が鮮やかな二の鳥居 二の鳥居を過ぎてすぐ左側には神楽殿
神楽殿と参道の間には、土で盛った舞台があり、、『広田のささら』が行われる場所のように感じられた。
鴻巣市指定無形民俗文化財
広田のささら 昭和50年12月15日指定
広田のささらは、別名「龍頭舞」といい、頭に龍頭をかぶって舞う獅子舞である。
この獅子舞は、寛永十六年(一六三九)七月二十七日より地区内の諏訪神社で始められたと伝えられている。その後、明治四十二年に諏訪神社が鷺栖神社に合祀されてからは、獅子舞は鷺栖神社の神事として毎年十月 十五日の大祭に、五穀豊穣と悪魔除けを祈願して奉納されている。(中略)
境内案内板より引用
拝 殿
拝殿の向背には芋粥神事の進行を記した目録があり(写真左)、拝殿の上部にある扁額(写真右)。
本 殿
広田鷺栖神社の総本社は久喜市鷲宮の鷲宮神社という。当社の創建については、社伝に「昔伊勢の国能保野(のぼの)を発ちし日本武尊の神霊白鷺の姿となり当地に飛来し翼を休める。当社是により祀る。社殿の造営は明応七年(1498)。”鷺の宮”と号す。」とある。
社殿の左側にある境内社 榛名神社 社殿の奥には末社、石祠群が存在する。
広田鷺栖神社が鎮座する旧川里町周辺は、一昔まではサギ山と言われる集団繁殖地(コロニー)を形成していたらしい。このサギ山は現在でも日本各地にあるが、全国各地に「鷺山」という地名がたくさん残っていることから、かつては現在よりもさらに多くのサギ山があったと考えられている。
埼玉県内でもこのサギ山は20年前までは14か所あったらしいが、水田転作で田んぼが減ってしまったり、田んぼが近代化することで、サギのエサとなる魚やカエルにとって住みにくい場所に変わってしまったため、サギ類の数は以前よりは少なくなってしまいサギ類の集団繁殖地サギ山も減少傾向にあり、現在では5か所と約3分の1になってしまったという。残念な現実だ。