古社への誘い 神社散策記

たまには静かなる社の空間に身をまかせ、心身共にリフレッシュしてみませんか・・・・

中爪八宮神社

        
            ・所在地 埼玉県比企郡小川町中爪1039
            
・ご祭神 素戔嗚尊
            
・社 格 旧村社
            
・例 祭 春大祭418日 秋大祭1019日 天王様715日
 中爪八宮神社は熊谷を起点とすると、埼玉県道11号熊谷小川秩父線を小川町方向に進み、「奈良梨」交差点を左折する。埼玉県道296号菅谷寄居線に合流して、2㎞程直進し「嵐山・小川IC」交差点を右折。再度埼玉県道11号線に合流するが、西方向に進みながら500m程先の十字路を左折すると、天台宗薬王山瑠璃光院普光寺が右側にあり、その南側に隣接して中爪八宮神社は鎮座している。
             
                 中爪八宮神社 社号標柱 
        
                 中爪八宮神社 正面鳥居
 当地中爪地区は小川町の北東部に位置し、北、南、西側は同町下横田、小川、東小川地区と、東側は嵐山町に接している。境内の周囲には、桑畑と民家が散在し、のどかな田園風景が広がっているが、南側に望む丘の斜面には大規模な住宅団地が造成されており、開発の波が当社の近くまで迫っている。
 
 長く伸びた参道。お子様用の遊具も見える。     参道の先に社殿が見える。
  中爪八宮神社の創建年代等は不詳ながら、普光寺が元和2年(1616)に創建していることから、その頃の創建ではないかという。また、徳川家康の関東入国後に当地の領主となった旗本高木甚左衛門正則が建立した毘沙門堂が前身とも伝えられ、普光寺が創建する際に、毘沙門堂が当地へ遷されて八宮社と改称したとも推定されている。
        
                     拝 殿
 
          拝殿・木鼻部にはさりげなく精巧な彫刻が施されている。
 八宮神社 小川町中爪一〇三九(中爪字馬戸場)
 中爪の普光寺は、「大師様」もしくは「厄除け大師」の通称で広く知られる天台宗の寺院である。当社は、この普光寺の西に隣接し、参道入口には火の見櫓が立っているため、遠くからでもその位置がよくわかる。
 当社は、中爪の鎮守として祀られてきた社で、江戸時代には普光寺が別当であった。創建の時期は明らかではないが、普光寺の創建が元和二年(一六一六)と伝えられることから、当社もその前後に勧請されたものではないかと考えられている。また、中爪村の名主を務めた本多家に残る古文書には「寛保三年(一七四三)鎮守八宮大明神建立、五月ヨリ始メ九月八日成就」とあるが、これは再建を意味するものであろう。
 『明細帳』には、当社の祭神について、「元毘沙門天ト唱ヘ来リ候処維新以来素盞嗚命ト改称」と記されているが、当社と毘沙門天の関係は、現在では既にわからなくなっている。
 しかし、普光寺の寺伝によれば、同寺を草創した徳川家康の臣高木甚左衛門正則は古くから地内にあった毘沙門堂を厚く信仰していたとされ、普光寺創建以前には当社と毘沙門堂との間に深いかかわりがあったのかもしれない。
                                   「埼玉の神社」より引用
 
      社殿の右側には蚕影山社           社殿右側奥には天神社
        
                   境内社 東照宮
 中爪八宮神社の隣には東照宮が鎮座する。境内に祀られている東照宮は、徳川家康公を祀る社で、幕臣であった高木甚左衛門正則が寛永年間(16241644)に家康公の御真影(絹本着色の画像) を普光寺に奉納した際に、これを安置するため建立されたものである。元は寺持ちであったが、明治以降、神仏分離によって一社となった。この御真影は普光寺に保管されており、毎年417(近年は18)にはこれを掛けて祭典を行うという。
                             「小川町の歴史別編民俗編」より引用

                            中爪八宮神社社殿、東照宮と並列して薬王山瑠璃光院普光寺が建立している。

 天台宗寺院の普光寺は、薬王山瑠璃光院と号し、徳川家康が関東入国した後に、当地の領主となった旗本高木甚左衛門正則が、自身の信仰する毘沙門天を祀る堂宇を村内上郷に建立、隠棲した赤浜普光寺住職の堂庵として営まれていたという。高木甚左衛門正則は、三代将軍徳川家光から徳川家康公画像を拝領した際、中爪八宮神社隣接地に東照宮を建立、東照宮建立に際して、毘沙門天を祀る堂庵も当地に移して一寺となし、尊英法印が正保2年(1645)開山、慶安元年(1648)には寺領10石の御朱印状を幕府より受領していた。当寺では毎年13日に「厄除元三大師」の祭事を執行していることから、「大師様」とも称されているほか、飛び地境内の中爪観音堂とともに小川七福神を祀っている。      

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