古社への誘い 神社散策記

たまには静かなる社の空間に身をまかせ、心身共にリフレッシュしてみませんか・・・・

品沢諏訪神社

        
              ・所在地 埼玉県秩父市品沢1012
              ・ご祭神 建御名方神
              ・社 格 旧村社
              ・例 祭 例大祭 4月第3日曜日 祈年祭 2月 新嘗祭 12月
 品沢諏訪神社は国道140号を皆野町、秩父市方向に進み、「大塚」交差点で交わる皆野秩父バイパス方向に道路変更し、蒔田地区方向に進む。トンネルを2か所過ぎた次の出口方向に車線変更し、埼玉県道270号吉田久長秩父線と交わるT字路を右折する。南方向から北西方向に進路が変更するが、暫く道なりに直進し、同43号皆野荒川線の交わる十字路をそのまま直進する。県道同士が交差する十字路から150m程北方向に進むと左手に諏訪神社が見える。
 県道沿いに社は鎮座していて、境内に入る道もあり、その一角に車を停めて参拝を行う。
         
                                 品沢諏訪神社 鳥居正面
        
                                    品沢諏訪神社境内
      境内には,社務所、品沢集会センター、神楽殿もあり、広々としている。
       県道沿いに鎮座しているが、車両の往来は少なく、また境内も静か。
 
   拝殿に通じる石段手前にある案内板             神楽殿

諏訪神社 御由緒 秩父市品沢一〇一七
◇村社様と呼ばれ、昇格の苦心話が伝わる
 品沢は、皆野から小鹿野へ通ずる道路に沿って集落のある、山間の農業地域である。地名については『秩父志』に「往時篠竹沢辺ニ多生ジテ篠沢ト称へシヲ、後音転ジテ志奈坐波ト称ヘ」とある。社蔵棟札により、正徳五年(一七一五)に社殿を造営したことが知られるが、それ以前は不明である。
 当地の旧家である引間家には寛永二十年(一六四三)の五人組帳があり、当時の村人であった六十余名の名前が残っている。
当地の草分けは関ケ原の落ち武者五軒であったとの口碑があり、これらの人々が当社の創建にかかわったと推定できよう。
『新編武蔵風土記稿』には地内の神社について「聖権社・居野間権現・熊野社・榛名社・金山社・諏訪社・天満天神社・熊野社」と載せているが、これらの多くは明治四十二年(一九〇九)に当社に合祀された。当社も明治五年(一八七二)に村社となるまではこれら耕地の神社と同格、同様の社であったと思われ、「村社になるにはたくさんの金が要り苦心した」という口碑が残り、この時尽力した島村某・富田某の名を今に伝えている。
                                      案内板より引用 


 案内板に記載されている「引間」氏は、日置の集落を引間、曳間、曳馬と称し、秩父郡に多く存在する苗字である。
○旧下吉田村
・永法寺文書
「享保九年鐘銘、引間善左衛門・引間金左衛門・引間四郎兵衛・引間惣左衛門・引間喜兵衛・引間十郎左衛門・引間五兵衛・引間新左衛門。文化六年寄附、吉田町引間重郎右門。文化十二年寄附、取方・引間丈左衛門・引間藤太郎妻。(以下略)」
○旧久長村
・阿熊村彦久保文書
「天正十年二月二十五日、秩父衆着致、一本鑓・一騎馬上・以上二人・引間弾正」
○小鹿野町
・小鹿野町古老覚書
「古風庭、引間久兵衛先祖地庭、後に寺に成る飯田村光源寺の末寺」
○旧日野村
・秩父往還(太田巌著)
「秩父郡日野村に永禄十三年武田氏の臣引間平左衛門が春日山地西庵を建立す」
        
                       拝 殿
『秩父志』には「品沢村は篠沢と称へしとを、後音転じて志奈坐波と称す」と見える。『新編武蔵風土記稿』では「品澤村は郡の西側にあり、武光庄に属す。篠葉澤郷と称すと云、村の名義は傳えず、(中略)皆山谷を境とせり。東西僅かに三町許、南北一里半程。土性は皆眞土なり。地形谷合の村にて、細く長くして民戸多く谷合或いは山腹に住し、家敷九十五件所々に散住し、男は農事の餘に、冬より春までは山に入て薪采り、女は養蠶を専らとし、綿・横麻又は木綿などを織出す」と記載され、村の旧名やその領域、土地柄、生活状況等を細かく説明されている。
        
           社殿の奥には、境内社がひっそりと鎮座している。
 
新編武蔵風土記稿』には地内の神社について「聖権社・居野間権現・熊野社・榛名社・金山社・諏訪社・天満天神社・熊野社」と載せているが、これらの多くは明治四十二年(一九〇九)に当社に合祀されたという。これらの社は、そのうちのどちらかであろう。写真左側の合祀社は、熊野社に関わりのある社と思われ、同右の写真は置物から稲荷社と思われる。

   

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