古社への誘い 神社散策記

たまには静かなる社の空間に身をまかせ、心身共にリフレッシュしてみませんか・・・・

天狗山雷電神社

 下毛野朝臣古麻呂(しもつけぬあそんこまろ 生誕不詳~死没709)は飛鳥(あすか)時代の官吏。10代崇神天皇皇子の豊城入彦命の後裔を称する皇別氏族である下毛野君を出自とする貴族で、下野国河内郡を本拠地とした。この下毛野君一族が下野河内郡に下野薬師寺を建立し氏寺としたと云われる。
 古麻呂が初めて史料に登場するのは、『日本書紀』の持統
3年(68910月が最初で、この時すでに中央貴族である直広肆(じっこうし・大宝律令では従五位下に相当)の地位にあったという。その後大宝律令の撰定に参画し,藤原不比等,粟田真人らとともに,その中心となって活躍した。701(大宝1)3月に大宝令の一部が施行されると,その翌月古麻呂は右大弁として諸王・諸臣に同令を講じている。その時古麻呂は「式部卿大将軍正四位下」の地位で、文官としてだけでなく武官としての立場ももっていたことを示していて、「大将軍」とあるのは、この下野国という地が、対東北政策上きわめて重要な位置にあり、任地に赴く武官の長としての技量も持ち合わせていたのだろうと推測される。和銅2年(709)1220日死去。
        
            
・所在地 栃木県下野市薬師寺1509
            
・ご祭神 賀茂別雷命
            
・社 格 不明
            
・例 祭 天狗山雷電神社祭 427日 1117

 天狗山雷電神社は下野市薬師寺地区にあり、薬師寺郷鎮守八幡宮の参道脇に鎮座する。下野市の国道4号バイパス「薬師寺」交差点沿いに、「道の駅しもつけ」があり、その交差点から栃木県道310号下野二宮線、通称「砂ヶ原街道」に合流して200m程西進する。最初の押しボタン式の信号の右側角にはガソリンスタンドがあり、その交差点を右折しると「薬師寺八幡宮」の看板が見えるので、そのまま300m直進すると薬師寺郷鎮守八幡宮と天狗山雷電神社の鳥居が正面に見える。
 鳥居の手前には「八幡宮駐車場」が道路沿い右側にあり、そこに停めてから最初は薬師寺郷鎮守八幡宮、その後天狗山雷電神社の参拝を行った。
        
                 天狗山雷電神社正面鳥居
 当所は薬師寺郷鎮守八幡宮に合祀されていたが、明治100年を記念して、昭和44年に神徒らが集いて再建、現在は八幡宮の別宮となっている。
 創建時期は不明とのことだが、京都賀茂別雷電神社より御察神を勧請し、以後、五穀豊穣をはじめ殖産の守神として尊崇されてきた社。信心深い農夫の前に天狗に姿を変えた大神が現れ、雷を起こさないように誓ったという伝説が言い伝えられている。創建当時は、雷(いかずち)の雷電宮(らいでんぐう)と称されていた。
        
                                       拝 殿
「天狗山」という称号だけあって、拝殿上部にある扁額の周囲には天狗の面が飾ってある。
 扁額の右側にある奉納額には
「平成十八年一月をもって、我が町南河内町は、国分寺町・石橋町との三町合併により、新たに下野市となる。
 茲に悠久の歴史を秘めたる地名の消失を鑑みつつ新たなる下野市の地名に敬意を表し、記念の額を奉納して永く顕彰する。
 平成十七年十一月十七日 天狗山雷電神社 氏子総代会」
 と書かれている。
        
                    拝殿内部
        
              境内には案内板も設置されている。

 天狗山雷電神社
 御祭神 賀茂別雷命(カモワケイカズチノミコト)
 祭日 四月二十七日 十一月十七日
 御神徳 殖産の神 雷除 災難除 電気の守護神
 由来沿革

 往古、鎮守八幡宮の参道入口に鎮座すと伝える古社。
 京都賀茂別雷神社より、御祭神を勧請。以後・五穀豊穣を始め殖産の守り神として厚く尊崇されてきた。其の当時は雷(イカズチ)の雷電宮(ライデングウ)と称していた。明治百年を記念して、昭和四十四年氏子、神徒ら集いて鎮守八幡宮に合祀されていた雷電神社を再建した。
 伝説

 其の昔、この地は鬱蒼とした社で、その森深くに雷電宮が鎮座していた。
 ある日、一人の農夫が雷電宮に願いを捧げていると、天狗に姿を変えて顕れた大神が「其の願い聞き届けられたり」と申し、此の地には雹等の災害を起こさないと誓ったとされ、それ以来雷の雷電宮を、天狗山雷電神社と改め大層厚く崇敬されたと伝えられています。
                                      案内板より引用

        
                                        本 殿

参考資料 
Wikipedia」等
                                  

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